2006年08月28日発

 米軍訓練移転問題で苫小牧市長として決断し、今夜の植苗・美沢地区地域懇談会で初めて表明させていただきました。
 “在日米軍再編に係る訓練移転の受け入れは、やむを得ないものと判断する” というものですが、その理由として7点を挙げさせ ていただきました。

@ 在日米軍再編に係る訓練移転問題は、国防に関する基本的な国の政策であり、地方自冶体として、これ に一定の理解を示す必要があること。
A 沖縄県に極度に集中している負担については、可能な限り負担の軽減に協力しなけれ ばならないこと。
B 基地使用については、訓練回数の制限を除き、現行の使用条件が維持され、また、航空自衛隊と同様の態 様がとられること。
C 騒音の懸念に対しては、国において、地元の要望を踏まえた所要の措置が講じられ、また、騒音情報の 提供が検討されること。
D 事故などの不安に対しては、関係機関との連絡体制整備や、訓練期間中の現地への職員派遣などの 対策が行われること。
E 地域振興のため、地元の要望を踏まえた周辺対策等の努力がなされること。
F 国が組織化する連絡協 議会において、北海道及び、既に受け入れを表明している千歳市をはじめ関係機関との連携が図られること。
 という7点です。

 今後、沼ノ端、勇払、騒音対策協議会、市町連、商工会議所などにご説明させていただき、来月4日には市議会総合対策特 別委員会でこの度の私の決断を報告した上で、質疑をさせていただく予定です。 一連の説明を終えて出来るだけ早く上京し、 防衛庁長官、防衛施設庁長官に会い、この度の決断をお伝えすると共に、航路下3地区住民からいただいている要望などに対 し実効性のある対策を取るよう強く訴えて参りたいと考えています。 是非、市民の皆さんに私の決断をご理解いただき、今後 とも本件に対しご協力を賜りたいと切にお願い申し上げる次第です。

 “もうこれ以上騒音はいらない!” “静かな生活を送りたい!” と地域懇談会で語りかけられた方々の声は十分理解してお り、そうしたなかで悩みに悩みぬいた判断であったことを是非ともご理解いただきたいと思います。 同時に、この3月に全会 一致で反対決議をしている市議会に対しても、その後の状況変化
  4/26に飛行回数の試算が出され、5/1には日米合意がなされ 訓練移転が正式に決定し、6/30には閣議決定がなされ、6/30には、国への30項目の質問に対する回答が出揃い、7/7には千歳市 長が受け入れを表明し、8/18には市からの確認事項に対する国の回答が示される
 を踏まえての決断であったことをご理解を いただきたいと思っています。

 同時に、最初の表明を地域懇談会でさせていただいたことに対しても、これまで騒音被害に遭 われてきた地域の皆さんから真っ先にご意見をお伺いしたいとの思いでプロセスを経てきたこともあり、決断を表明する場も 地域の皆さんの場であろうと判断させていただきました。 このことについてもご理解をいただきたいと思います。

 世界の恒久平和を願う気持ちは、今を生きている人たちすべてが求めていることだと思います。 戦争など二度と起こしては ならないし、すべての国が殺戮兵器を排除できる世の中を目指さなければなりません。 しかし、残念なことではありますが、 地球上のいたるところで局地戦争や紛争が耐えない現実が一方で存在し、冷戦終結後も千歳基地のスクランブルが耐えない現 実があり、隣国には、射程距離内にわが国を狙ったミサイルをいつでも発射可能な配備をしている国が存在するのも現実で す。

 国民の生命と財産を守ることは、国家として政府が最優先で考えなければならない大きな問題であり、そのなかで日米安 保があり、この度の米軍再編があります。 現在、在日米軍専用施設面積の75%が沖縄県に集中しています。 この度の日米合 意には、

@ 沖縄県から約8千名の海兵隊要員の削減 (グアム基地に移駐)
A 普天間飛行場のキャンプシュワブへの移設
B 横田飛行場の航空自衛隊総司令部の併置等による指令部間の連携強化
C キャンプ座間の在日米陸軍司令部改編
D 厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐
E 航空自衛隊車力分屯基地への米軍レ−ダ−システムの配置
F 訓練の移転
 などが盛り込まれています。
 抑止力を維持しながら沖縄の負担軽減を実現するという狙いがありますが、“訓練移転・分散” も沖 縄の負担軽減に寄与することとなります。

 明日から “市政懇談会” 改め “まちかどミ―ティング” が始まりますが、この訓練移転問題も共通テ−マとして説明させて いただくつもりです。 同時に “ゴミの減量化” についても共通テ−マとして取り組みますので、よろしくお願いします。 11 月までの長丁場となりますが、一生懸命がんばります!

 それでは、本日の “決断表明” についてレポ−トさせていただきました。 言葉足らずのところはお許し下さい。 深夜となり ました。 では、失礼します。

岩倉博文


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